♪とーりゃんせ、とーりゃんせ、ここはどーこの細道じゃー。てんじんさーまのほそみちじゃー♪
ご存じ、童謡の一節。 神社にお札を納めて可愛い子供達が健やかに育つよう、神様にお願いする行事が七五三。 三歳と七歳が女の子。男の子は五歳だけ。 ちょっと不公平ではないのでしょうか? こんなこと、誰が決めたのでしょうか。
実は、“越後屋”です。“越後屋”とは三越なのです。 共犯者がいます。共犯者は“千歳飴本舗”です。 この両者が結託して七五三を生み出したのです。
昔から、関東地方では子供の成長と安全を願う行事として“十三参り”という習慣があり、生まれた年から13歳になるまで毎年、氏神様にお参りをしてお札を納めていました。 裕福な家庭では毎年かなり派手なお祝いをするのですが、一般家庭では毎年毎年のお祝いは、結構、家計を圧迫したのです。 爺さん、婆さんも“孫”は可愛いのですが、先立つものがないのではプレゼントも出来ません。
此処に目を付けたのがご存じ“越後屋”。 「毎年毎年のお祝いは大変でしょう。この際、お札納めは、三、五、七、の歳として、女の子は可愛いから三歳と七歳。男の子は我慢して五歳だけにして宣伝するのは如何でしょう。」と千歳飴本舗に提案。
「でしたら、わが社の千歳飴を袋に入れて、子供達に持たせるスタイルにしたら嬉しいですなぁー。」てな会話がされたかどうかは解りませんが、とにかく、“悪だくみ”は合意され、ポスターが作成され、宣伝が開始されました。
この“悪だくみ”は見事に成功し、七五三は定着し、“越後屋”の呉服が売れ、千歳飴を手にした子供達が神社にお参りをしたのです。 その結果、“十三参り”は廃れてしまい、神社の神主さんたちの収入は激減したとか、しないとか?
越後屋には時代を先取りする経営者がいたのですなぁー。 今はどうかしら?