不動産の価格はどのように決まるか知っていますか?
不動産の評価額には、固定資産税を算出するための価格として固定資産評価額と相続税を算出する相続税評価額(路線価等)があります。 また、国土交通省が行う地価公示価格もあります。それぞれの官庁が、自分の職務に関係がある範囲で価格を決めています。 私は東京都が毎年行う地価調査の価格調査係りを5年ほど行っています。
では、民間の取引ではどのように不動産の価格が決まるのかといえば、それは、「売り手と買い手がが決める。」 ということになります。 難しい理屈はいりません。 「この価格なら買う、この価格なら売る。」 これで売買が成立するのです。
仲介業者は売主、買主に売買価格の参考になる近隣取引事例などを伝え、価格の算定に協力しますが、最終的に価格を決めるのは売り手と買い手なのです。
価格の決定に大きく影響する要素は、売り手の経済的事情であり、買い手のどうしてもその不動産がほしい事情です。 急いで売却しなければならない場合は当然安くなり、どうしてもほしい物件であれば高く買うことになります。
不動産鑑定士が鑑定価格を出しますが、それも価格算定の一手段であり、参考程度です。鑑定士が算定した価格で取引が成立したことは、私の35年の業務経験の中で一度もありません。
不動産の売買の基本は急いではいけないということです。 余裕をもつて計画を立て、処分をしたり、購入をすることが求められます。
先日、温泉地箱根に物件調査に行った不動産の売却価格をいくらに設定するか、今、悩んでいます。箱根町には買い手がいないからです。 買い手がいない場所でいくら商品を売っても商いは成立しません。 売主に何て説明していいのか、悩んでいます。
“悩める九官鳥”